Q&A
自己破産をすると引っ越しができなくなりますか?
1 自己破産の手続き中は、引っ越しに許可がいる
自己破産の手続中は、引っ越しが制限されます。
破産手続きの流れは、次のとおりですが、手続きの時期によって引っ越しの制約が変わってきます。
①弁護士に依頼
②申立準備
③破産申立
④開始決定
⑤免責許可決定
2 破産申立前の引っ越し
裁判所への破産申立前は、引っ越しの法律的な制限はありません。
ただし、破産申し立てをする裁判所は申立時の住所地となるため、引っ越しをすると手続きをする裁判所が変わってきます。
裁判所が変わると、次の点で注意が必要です。
⑴ 弁護士を変える必要性が出てくる
遠方の場合、裁判所への出頭が難しい場合があります。
⑵ 裁判所ごとに運用が異なる
管財事件になるかどうかの基準も変わるため、数十万円の予納金を用意しなければいけなくなる可能性もあります。
⑶ 集める資料が変わる
必要な資料は裁判所ごとに異なるため、集めなければならない資料が変わる可能性があります。
⑷ 高額な引っ越し費用は破産の結果に影響する
破産手続き中に高額な出費をすると、浪費とみなされ免責不許可事由とされる可能性があります。
その結果、破産しても借金がなくならない可能性があります。
⑸ 申立書の内容が変わってくる
以上のように、住所を変えることは様々な影響があるので、必ず弁護士に相談をしてから行ってください。
3 開始決定後の引っ越し
同時廃止事件の場合は、原則として居住制限を受けません。
ただし、開始決定から免責許可決定が確定するまでの間は、住民票を移動するときは、裁判所に住民票を提出して住所変更の報告をする必要があります。
管財事件の場合、破産者は、居住地を離れる際は、裁判所の許可が必要となります。(破産法37条)
許可が下りないと引っ越しができないため、事前に弁護士に相談をしておく必要がありますが、申請をすれば、不許可になるということはほとんどありません。